事例名称 |
コンクリートパイル製造用のオートクレーブ飛翔 |
代表図 |
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事例発生日付 |
2001年02月 |
事例発生地 |
茨城県 |
機器 |
オートクレーブ |
事例概要 |
コンクリートパイル(基礎くい)を製造する工場でオートクレーブ(高温・高圧蒸気養生釜)の中に34本のコンクリート柱を入れ、硬度を高める作業を行っていたところ、釜の圧力が10kg/cm2に達した時、突然オートクレーブの鋼鉄製ふた板(重さ約3トン)が吹き飛び、内部の水蒸気が猛烈な勢いで噴出した。その反動でオートクレーブ本体(直径約3000mm、長さ約31m、重さ約50トン、円筒型)が約40m飛翔し、事務棟にぶつかって止まった。ふた板は約20m離れた場所に落ちていた。この事故で作業員6名が重軽傷を負った。 |
事象 |
当該事業所には同じオートクレーブが11基設置されており、そのうちの1基が事故を起こしたもので、ちょうど勤務交代の引継ぎを行っている最中に発生している。圧力釜は内部にコンクリート製品を入れ、蒸気を4時間かけて183℃、10気圧の状態にし3時間かけて温度と圧力を下げる操作が行われる。釜の両側には製品の出し入れを行うふた板が付いており、その構造はふた板、ゴムパッキン、施錠環、油圧シリンダー、リミットスイッチ等で構成され、両方の扉はロックが解除されないと開かないようになっている。 |
経過 |
事故後の調査でロッキリングの長さが正規の寸法より周長で34mm短かったためにロッキリングのはまり込みの浅い部分で接触面圧が過大となり、ふた板の変形が進み本体より離脱し飛翔したものと見られている。類似事故が1994年6月福岡県で発生している。 |
原因 |
設計・構造上の不良 製作不良 |
対策 |
当該装置はふた板(つめ構造等)の飛翔による事故が多いので最後のつめを怠らない |
知識化 |
ふた板の飛翔 |
シナリオ |
主シナリオ
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不注意、注意・用心不足、企画者不注意、計画・設計、計画不良、設計不良、ロッキング長さ不十分、使用、運転・使用、機器・物質の使用、オートクレーブ、破損、変形、塑性変形、ふた板の外れ、破損、大規模破損、水蒸気噴出、オートクレーブ本体飛翔、事務棟へ衝突、身体的被害、負傷、重傷
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情報源 |
高圧ガス保安協会
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死者数 |
0 |
負傷者数 |
6 |
物的被害 |
不明 |
被害金額 |
不明 |
全経済損失 |
不明 |
分野 |
材料
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データ作成者 |
小林 英男 (東京工業大学)
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