失敗事例

事例名称 三フッ化窒素製造装置の圧縮機爆発
代表図
事例発生日付 2001年04月
事例発生地 山口県
機器 三フッ化窒素製造装置
事例概要 無水フッ酸とアンモニアの調合液を電気分解反応させ、生成した三フッ化窒素ガス(支燃性ガス)を精製し容器のガスを充填していた。ダイアフラム式圧縮機(処理能力68.4Nm3/日、圧力14.7MPa、温度30℃、二段式、外国製)が不調なので定期修理時に部品の交換を行った。その後運転を再開したとき、依然として圧縮機の能力不足が見られたが、そのまま運転を続けたため圧縮機のガス温度が上昇し、二段目の圧縮機の吐出側に取付けられた吐出弁板(プラスチック樹脂)が発火した。このため2段吐出側の圧力・温度が上昇し、ダイアフラムが破損して作動油と三フッ化窒素が混合・反応して、二段目吸入側に逆流すると共に吸入、吐出配管を破裂させた(1回目の破裂)。さらに二段目の吸入側配管に取り付けられた安全弁が作動したため、安全弁放出先となっている三フッ化窒素の受槽に流入し、作動油とNF3の分解で発生したガス圧力の上昇によってNF3受槽が破裂した(2回目の破裂)。この爆発により付近で作業中の協力会社の従業員3名が軽傷を負った。また工場の建家・設備が広範囲にわたり破損した。
原因 材質不良(選定ミス)
対策 三フッ化窒素は支燃性ガスであり、油、樹脂等があれば常温でも激しく反応するので注意する。
シナリオ
主シナリオ 不注意、理解不足、リスク認識不足、誤判断、状況に対する誤判断、使用、保守・修理、部品交換、三フッ化窒素製造装置圧縮機、圧縮機能力不足、使用、運転・使用、機械の運転・操縦、不良現象、化学現象、吐出弁板、発熱・発火、圧力・温度上昇、ダイアフラム破損、作動油・三フッ化窒素反応、配管破裂、吸入側配管安全弁作動、ガス圧上昇、三フッ化窒素受槽、破損、大規模破損、破裂、身体的被害、負傷、軽傷
情報源 高圧ガス保安協会
死者数 0
負傷者数 3
物的被害 不明
被害金額 不明
全経済損失 不明
分野 材料
データ作成者 小林 英男 (東京工業大学)