失敗事例

事例名称 ベーパーライザー配管の腐食開口によるLPガス漏洩
代表図
事例発生日付 2001年11月
事例発生地 沖縄県
機器 ベーパーライザー配管
事例概要 LPガスの大口需要家である亜鉛メッキ加工工場からガス臭がするとの通報があり、販売店の従業員が現場に急行すると液化石油ガスの供給設備である空温式蒸発器(ベーパーライザー、設計圧力1.8MPa、設計温度-42~65℃、アルミニウム製)の入口配管に亀裂が入り、ガスが漏洩しているのを発見した。直ちに液ラインの元弁を閉止すると共に、応急処置として亀裂部分にシールゴムを張り監視を続けた。
事象 調査の結果、蒸発器下部に取り付いた入口管ヘッダー×継ぎ管(口径60mm、厚さ3mm×口径28mm、厚さ2mm×材質A5052)間に亀裂が発生している。亀裂部アルミ材の内表面は白く酸化・変色している。また入口管ヘッダー内面底部から水銀塊が発見された。
経過 その後の調査で製油所で製造された液化石油ガス中に高濃度の水銀が含有されており、水分等が共存するとアルミニウムの腐食が加速されることが実験で確認された。当該装置は使用開始後約3ヶ月しか経過しておらず、県下の消費先に納入された他の蒸発器8基にも同様の欠陥が発生した。
原因 不純物の混入
対策 今回の一連の事故を踏まえて経済産業省は該当するLPガスの回収を指示すると共に注意喚起を行った。
知識化 水銀はアルミニウムと反応してアマルガムを作る。
シナリオ
主シナリオ 未知、未知の事象発生、使用、運転・使用、機械の運転・操縦、空温式蒸発器、アルミニウム、不良現象、化学現象、異常反応、水銀とアルミニウムの反応、アマルガム生成、破損、減肉、腐食・酸化、亀裂、入口配管、肉厚貫通、L Pガス漏洩
情報源 高圧ガス保安協会
死者数 0
負傷者数 0
物的被害 不明
被害金額 不明
全経済損失 不明
分野 材料
データ作成者 小林 英男 (東京工業大学)