事例名称 |
敦賀2号機加圧器逃し弁管台溶接部からの漏洩事故 |
代表図 |
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事例発生日付 |
2003年09月09日 |
事例発生地 |
福井県敦賀市 |
事例発生場所 |
日本原子力発電(株)敦賀原子力発電所2号機 |
機器 |
加圧器逃し弁 |
事例概要 |
定期検査中に加圧器逃し弁の点検のため保温を撤去したところ、白いホウ酸の析出を発見した。今回のトラブルでは特に死傷者はなかった。 |
事象 |
(1)2003年9月9日定期検査中の敦賀2号機で加圧器逃し弁の点検のため保温を撤去したところホウ酸の析出を発見した。 (2)当該部の調査の結果、インコネル溶接金属部に発生した応力腐食割れであることが調査の結果判明した。 |
経過 |
漏洩の発生していた箇所は補修溶接を実施していたことから、インコネル溶接金属(インコネル600系合金)を用いた溶接部で補修溶接を実施した箇所の調査を実施した。 |
原因 |
漏洩の発生していた箇所の調査の結果、インコネル溶接金属(インコネル600系合金)に発生したPWSCC(PWR一次系水質環境下で発生するインコネル合金の応力腐食割れの意味)であることが判明した。尚、製作時に当該部の補修溶接を実施していたことが判明している。 |
対処 |
(1)PWR一次系冷却材環境中ではインコネル600系合金に高い応力を負荷すると応力腐食割れが発生することを認識する必要がある。 (2)補修溶接などの箇所については著しい残留応力が発生しないように施工することが必要である。 |
対策 |
(1)漏洩の発生している箇所の取り替えを実施した。 (2)同様なインコネル600系合金を使用した溶接部で、かつ補修溶接を実施した箇所の点検を行った。 |
知識化 |
PWR一次系水質環境下で、インコネル600系合金を使用し、かつ補修などで高い残留応力が発生している溶接部には応力腐食割れが発生する。 |
シナリオ |
主シナリオ
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不注意、注意・用心不足、製作、ハード製作、機械・機器の製造、管台溶接、補修溶接、インコネル600系合金、使用、運転・使用、加圧器逃し弁、破損、破壊・損傷、応力腐食割れ、漏洩
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情報源 |
(1)経済産業省原子力安全保安院ホームページ (2)日本原子力発電(株)ホームページ
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死者数 |
0 |
負傷者数 |
0 |
マルチメディアファイル |
図2.漏洩発生箇所
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分野 |
材料
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データ作成者 |
村上 弘良 (日本原子力発電(株))
小林 英男 (東京工業大学)
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