事例名称 |
石油精製におけるチタン製熱交換器の腐食 |
代表図 |
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機器 |
石油精製装置/熱交換器伝熱管/チタン |
事例概要 |
常圧蒸留装置塔頂熱交換器の炭素鋼管束が1~2年で腐食するため1994年、Gr12チタン管束-モネルバッフルに替えた。2熱交直列で入口温度165℃、146℃、有機アミンを含んだ水が熱交間に注入されていた。1998年にバッフルとの接触部でチタン管が外側からの腐食で漏洩した。バッフルから離れた箇所でも孔食が生じていた。 |
事象 |
中和型アミンが使用されていてNH4Clに同じ固形塩化物が生成していた。実験室再現試験でドライなアミン塩条件では腐食感受性が高いが少量の水(1%)で不動態になる。同様の腐食は直留ナフサの水素化精製装置スタビライザーのフィード/ボトム熱交に使用されたチタン管で起きた。チューブ内外両側からの局部腐食損傷を受け、チューブシートとの隙間でも隙間腐食が発見された。 中和アミンに対し十分な水が使用されておらず水が完全に蒸発して腐食性の高いドライなアミン塩化物がバッフルとの隙間に生成した。高温ではデポジットの下でチタンの不動態が維持できず腐食した。 |
原因 |
塩化アンモニウム腐食 |
対策 |
チューブシートの両側に保温材を取り付けチタン温度を非腐食温度にした結果、その後3年間腐食はなかった。結局炭素鋼管束に取り替えた。 |
知識化 |
耐食性の高いチタン材料も使用条件のわずかな違いで腐食することがある。 |
シナリオ |
主シナリオ
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無知、知識不足、過去情報不足、思いこみ、経験不足、不注意、理解不足、リスク認識不足、計画・設計、流用設計、模倣設計、製作、ハード製作、機械・機器の製造、チタン、使用、運転・使用、腐食性物質堆積、不良現象、化学現象、材料劣化、破損、減肉、腐食・酸化
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情報源 |
D. Fan, et al. : Experience with titanium heat exchangers in refinery services, Materials Performance, 40 may, 56(2001)
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マルチメディアファイル |
図1.フォールトツリー図 石油精製におけるチタン製熱交換器の腐食
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図2.イベントツリー図 石油精製におけるチタン製熱交換器の腐食
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分野 |
材料
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データ作成者 |
橋本 哲之祐 (元千代田化工建設(株))
小林 英男 (東京工業大学)
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