事例名称 |
低全酸価原油におけるナフテン酸腐食 |
代表図 |
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機器 |
常圧蒸留装置、減圧蒸留装置/蒸留塔、トランスファーライン/炭素鋼、5Cr鋼、405/410ステンレス鋼 |
事例概要 |
低全酸価のスイート原油を使い始めた後、常圧蒸留装置、減圧蒸留装置で一連の腐食損傷、漏洩が起こり始めた。部分的な気化と高流速による5Cr鋼加熱炉管出口エルボの局部的、激しい減肉。410クラッド減圧蒸留トランスファーラインのエルボ、直管部の腐食。減圧蒸留塔シェルの405/410クラッディングのトランスファーライン入口部での激しい腐食。405/410シェルクラッド、インターナルで循環油ヘッダー付近で230℃以上の温度、15m/sec以下の流速部での一様減肉。加熱炉出口、トランスファーラインの12Cr鋼サーモウェルのエロージョンコロージョン。炭素鋼環流配管の腐食。高温加熱炉出口トランスファーライン304Lステンレス鋼の腐食 |
事象 |
5Cr鋼加熱炉出口エルボについての調査結果、ナフテン酸腐食であると結論された。 当装置はサワー原油を対象に設計製作されたが、途中からスウイート原油を扱い始めた後での腐食。原油はナイジェリア、アンゴラなどの西アフリカ産。この原油でのナフテン酸腐食は加熱炉出口での330~345℃の高い運転温度の影響が大きく、気化により高流速の二相流となりナフテン酸腐食した。 |
原因 |
ナフテン酸腐食 |
対策 |
6年以上にわたるERプローブ、クーポンによる腐食モニタリングを実施。その検討結果、材質の多くをMo含有ステンレス鋼にアップグレードした。 |
知識化 |
酸度の低い原油であっても、材質が考慮された物でないときにはナフテン酸腐食を起こすことがある。 |
シナリオ |
主シナリオ
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無知、知識不足、過去情報不足、経験不足、計画・設計、計画不良、設計不良、製作、ハード製作、機械・機器の製造、使用、運転・使用、機器・物質の使用、不良現象、熱流体現象、流体現象、破損、劣化、高温、破損、変形、エロージョン・コロージョン、ナフテン酸腐食
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情報源 |
M. J. Nugent, et al. : Experience with naphthenic acid corrosion in low TAN crude, NACE Corrosion 98, 577 (1998)
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マルチメディアファイル |
図1.フォールトツリー図 低全酸価原油におけるナフテン酸腐食
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図2.イベントツリー図 低全酸価原油におけるナフテン酸腐食
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分野 |
材料
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データ作成者 |
橋本 哲之祐 (元千代田化工建設(株))
小林 英男 (東京工業大学)
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