事例名称 |
チタン製蒸発蒸気再圧縮型濃縮缶の酸腐食 |
代表図 |
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機器 |
蒸発蒸気再圧縮式、液膜流下型濃縮缶/加熱熱交チューブ/チタン |
事例概要 |
pH1.5の硫酸酸性アミノ酸溶液を濃縮するチタン製多重効用濃縮缶を、省エネルギーを図るためVRC(蒸発蒸気再圧縮式)濃縮缶に変更、蒸発温度80~90℃で運転を開始したところ、チューブに約半年で貫通腐食を生じ運転不能となった。蒸発加熱器を開放、点検したところ管内部に炭化した厚いスケールが固着し、その下でチタンが激しく腐食されていた。 |
事象 |
これまでの多重効用缶では加熱器にスケールが付着すると伝熱係数が低下し必要な蒸発能力が得られなくなるので運転を停止し洗浄に入る。しかしこのVRCではスケール付着による能力低下を補填するために加圧圧縮蒸気の温度を最高150℃まで上げ所定の蒸発能力を確保するように制御系が働くように設計されていた。 運転開始後ほどなくして加熱缶にスケーリングが始まり、本来ならこれにより起こる蒸発能力の低下が圧縮蒸気の温度上昇でカバーされて顕在化せず、このまま運転が継続された。加熱面の温度上昇によりこの系におけるチタンの耐食限界(~100℃)を超えた運転が続けられて破損に至った。 |
原因 |
全面腐食 |
対策 |
重要運転管理項目として加熱蒸気温度を重視し、これが一定値を超えると必ず洗浄操作に入るように変更した。 |
知識化 |
多重効用缶からの変更を単なる機種の変更と受けとめ、腐食的に決定的な条件変化が伴っていたことを見落としていた。細部にわたる腐食条件の把握(特に材料の「その場」における条件、伝熱面の温度なら加熱側の温度)が重要であることを再認識した。 |
シナリオ |
主シナリオ
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無知、知識不足、経験不足、計画・設計、計画不良、設計不良、制御システム設計不良、スケーリング、加熱温度上昇、耐食限界超過、破損、減肉、スケール下の全面腐食
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情報源 |
北村義治、鈴木紹夫:VRC濃縮缶の酸腐食、「防蝕技術」、p.209, 地人書館(1997)
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マルチメディアファイル |
図1.フォールトツリー図 チタン製蒸発蒸気再圧縮型濃縮缶の酸腐食
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図2.イベントツリー図 チタン製蒸発蒸気再圧縮型濃縮缶の酸腐食
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分野 |
材料
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データ作成者 |
鈴木 紹夫 (すずき技術士事務所)
小林 英男 (東京工業大学)
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