失敗事例

事例名称 エレベーターの巻上用ワイヤロープ切断
代表図
事例発生場所 プラスティック製品加工工場
機器 エレベーターの巻上用ワイヤロープ
事例概要 荷物用エレベーターの巻上用ワイヤロープが切断し搬器が落下した.
事象 プラスティック製品加工工場の材料保管倉庫(2階建)の2階の隅に設置されている荷物用エレベーター(電動ホイスト駆動)に乗って梱包用のポリ袋を取りに行って降りる際,巻上げ用ワイヤロープが切断し,搬器の非常止めがなかったため約4m落下した.
原因 事故後の調査で,搬器の重心とホイストの中心がずれていたことと,ガイドレールに捩れがあって,ワイヤロープが乱巻き状態で運転されていたために素線切れが進行していた.また,安全装置として「非常止め」が装備されていなかった.
対策 非常止め等の安全装置
知識化 エレベーターはどのようなものでも「非常止め」が必要であること
よもやま話 クレーン等安全規則では,労働者が使用するエレベーターの定期自主検査を一ヶ月ごとに実施する項目と一年ごとに実施する項目とを決めており,そのいずれでもワイヤロープの検査を義務付けている.また,この検査の結果で指摘された項目は直ちに改善することとされている.このことを怠って災害につながることが多いので注意を要する.また,定期自主検査でワイヤロープの乱巻き及び素線切れが指摘されていたが,対応されていなかった.
シナリオ
主シナリオ 価値観不良、安全意識不良、安全対策不良、組織運営不良、管理不良、管理の緩み、見過ごし、計画・設計、計画不良、設計不良、安全装置、非常止めなし、エレベーター、使用、保守・修理、定期自主検査、ワイヤロープ、乱巻き、素線切れ、破損、破壊・損傷、切断、二次災害、損壊、落下、身体的被害、負傷、重傷
情報源 安全衛生情報センター
負傷者数 1
分野 材料
データ作成者 河島 邦寿 (元(社)日本クレーン協会)
小林 英男 (東京工業大学)