事例名称 |
トラッククレーンのジブ折損 |
代表図 |
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事例発生場所 |
ショッピングセンター屋上 |
機器 |
油圧式トラッククレーンのジブ |
事例概要 |
ショッピングセンターの屋上に設置された看板を降ろす作業でトラッククレーンのジブが折損 |
事象 |
2階建ショッピングセンターの屋上に設置された看板(縦:8m,横:8m,高さ:11m,質量:18t(作業者は10tと推定していた))を降ろす作業で,つり上げ荷重:60tのジブ伸縮式トラッククレーン(事故発生時の設置状態…ジブ長:37m,作業半径:10m,定格荷重:10t)を設置し,4本の玉掛けワイヤロープを看板の4隅に掛け緊張状態にして,看板の脚を1本づつ切断して行った.荷の重さを実際より軽く見積もっていたため,切断が終わった時(クレーンで吊った状態)オーバーロードとなり,更にその時,2~3m/s の風があり荷が左方へ流されはじめ4段ジブが根元で折れて看板が地上へ落下した. |
原因 |
看板の質量を把握せずに定格荷重の1.8倍のものを吊ったこと. |
対策 |
つり上げる荷の質量目測の訓練 |
知識化 |
脚の切断が進むにつれてクレーンに掛かる荷重が増加し,定格荷重を超えると過負荷防止装置の「停止機能」が作動して,危険方向への操作ができない構造になっているが,この事例の如く,吊った状態で停止していて,他の作業によって荷重が増加する場合には,過負荷防止装置の「停止機能」は働きは全く無力であり,オーバーロードであることの警報音と荷重計の読みでオペレーターがどう対応するかがカギになる. |
背景 |
過負荷防止装置の荷重計の表示は作動していた筈で,運転者は切断が進むにつれて荷重計の値が増加することは認識していたと考えられる.日頃からこの程度のオーバーロードが習慣的に行われていたところへ「微風」ともいえる風の影響が加わったことが災いした. |
シナリオ |
主シナリオ
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企画不良、戦略・企画不良、作業内容・工程・環境不良、発注者見極め不良、価値観不良、安全意識不良、リスク認識不良、吊りっぱなし作業、環境変化への対応不良、使用環境変化、自然環境変化ジブ折損、風速、使用、運転・使用、過負荷、作業半径過大、非定常操作、緊急操作、緊急起動、風に追随し旋回、破損、破壊・損傷、破壊・破断、ジブ折損
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情報源 |
安全衛生情報センター
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分野 |
材料
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データ作成者 |
河島 邦寿 (元(社)日本クレーン協会)
小林 英男 (東京工業大学)
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