失敗事例

事例名称 簡易リフトのワイヤロープが切断
代表図
事例発生場所 建築用製材所
機器 簡易リフトのワイヤロープ
事例概要 簡易リフトに乗って下降の操作をした時ワイヤロープが切れて墜落
事象 建築用製材所の倉庫(3階建)に設置されているホイスト式簡易リフト(積載荷重:400kg,床面積:1.62m2)で,出入り業者の係員(被災者)が15kgの荷をリフトで3階へ上げ,自身は階段で上がって荷を下ろした.その後,次の荷を扱うために下りる際,このリフトに乗って下降のボタンを操作したところ,巻上用ワイヤロープ(8mm)が切断し搬器と共に1階まで墜落した.
原因 巻上げドラムの巻取が極端な乱巻で,ワイヤロープの一部が隣のワイヤロープの間に挟まれた状態で,下降操作を行ったとき円滑に繰り出されずに逆に巻上げられて,搬器が頂部に衝突したショックでワイヤロープが切断して,搬器が落下したものである.
対策 非常止めの設置及び簡易リフトには乗らないことの徹底
背景 昭和46年7月の規則改正で,簡易リフト(荷のみを運搬するもので,人が乗ってはいけない)の床面積は1m2以下とされた.従って,この簡易リフトは床面積が1.62m2であるから,法的にはエレベータ(人が乗れる)の規則が適用される(要するに簡易リフトではなく,エレベータである)ので,非常止め等の安全装置を具備する必要があり,これを備えていなかったことが災害に至った原因の一つである.
シナリオ
主シナリオ 価値観不良、安全意識不良、安全対策不足、リスク認識不良、不注意、注意・用心不足、取扱不適、非定常行為、変更、仕様変更、ワイヤロープ、使用、保守・修理、検査、不良現象、機械現象、乱巻き、食い込み、使用、運転・使用、機械の運転・操縦、逆巻き、不良行為、規則違反、安全規則違反、簡易リフト搭乗、破損、破壊・損傷、ワイヤロープ切断、身体的被害、負傷、重傷
情報源 安全衛生情報センター
負傷者数 1
分野 材料
データ作成者 河島 邦寿 (元(社)日本クレーン協会)
小林 英男 (東京工業大学)