失敗事例

事例名称 玉掛用ワイヤロープが切断してつり荷の下敷きに
代表図
事例発生場所 運送会社
機器 玉掛け用ワイヤロープ
事例概要 玉掛用ワイヤロープのつり角度が大き過ぎて張力過大になり切断
事象 トラックの荷台に載せた収納庫(幅:2.15m,奥行:3.1m,高さ:3.1m,質量:4.17t)を天井クレーンでおろす際,まず,収納庫の上部4隅にある吊手に2本の玉掛用ワイヤロープ(10mm,長さ:3m)のアイ部分を掛けて,これらのロープの中間点に別のワイヤロープ(10mm,長さ:1m)を掛けて絞り,フックに掛けた.この時,下部のロープのなすつり角度は120°になっていた.荷台から5~6cm上昇させ,1m程横へ移動させたとき,上部のワイヤロープが切断して収納庫が落下した.
原因 作業者の玉掛用ワイヤロープの(長さの)選択が悪く,この作業条件ではつり角度が大きくなり,下部のワイヤロープの張力は2t以上で,上部のワイヤロープにはこの約2倍,即ち,10mmのワイヤロープの破断荷重(約4.6t)に匹敵する荷重が作用したために破断したものである.
対策 つり角度を小さくするようなワイヤロープの選択
知識化 つり角度が大きくなると張力は飛躍的に増大する.
背景 運転者も玉掛け者も無資格者であった.
シナリオ
主シナリオ 価値観不良、安全意識不良、安全教育・訓練不足、無資格作業、無知、知識不足、勉学不足、吊り角度過大、使用、運転・使用、機器・物質の使用、玉掛けワイヤロープ、寸法過小、吊り角度過大、破損、破壊・損傷、破壊・破断、玉掛けワイヤロープ切断、つり荷落下、身体的被害、死亡、事故死、転倒落下した収納庫の下敷き
情報源 安全衛生情報センター
死者数 1
分野 材料
データ作成者 河島 邦寿 (元(社)日本クレーン協会)
小林 英男 (東京工業大学)