事例名称 |
玉掛用ワイヤロープの切断でつり荷が落下 |
代表図 |
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事例発生場所 |
運送会社 |
機器 |
玉掛け用ワイヤロープ |
事例概要 |
鋼管を吊る作業で,玉掛用ワイヤロープが短いため継足して作業中切断して荷が落下 |
事象 |
つり上げ荷重35tのトラッククレーンを用いて,鋼管(外径:71cm,長さ:12.3m,質量3.35t)2本をトラックに積みこむ時の災害である.玉掛用具として,直径が12.5mm(6×37 B種),全長が4.67mで,端から3.5mのところで2本に分かれ,それぞれの先端にフックがついたスリング2本を用意し,長さが不足するので,更に直径が25mm,長さ2.34mの玉掛用ワイヤロープ2本を上記それぞれのスリングの上部(クレーンのフックに近い位置)に継ぎ足して2本の鋼管に掛けて巻上げた.吊上げて旋回し始めたが,荷がトラックの「あおり(荷台の周囲を囲む部分)」に当りそうになったのでジブを起こす操作を行ったとき,上記スリング(下部側のワイヤロープの2本に分かれる部分)の「さつま(ワイヤロープの2本に分かれる部分)」の部分で切断して鋼管が落下した. |
原因 |
吊上げた際の「つり角度」が120°となっており,その時の1本の部分(2本に分かれる前の部分)の張力は約6.7tとなる.12.5mmのワイヤロープの破断荷重は約9tであるから余裕はほとんどない.「さつま」の部分で切断していることと,使用開始後の劣化を考慮すると切れても不思議はない.ワイヤロープの選定ミス(長さ,直径とも)が原因である. |
対策 |
つり角度を小さくするようなワイヤロープの選択 |
知識化 |
つり角度が大きくなると張力は飛躍的に増大する. |
シナリオ |
主シナリオ
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無知、知識不足、勉学不足、吊り角度過大、定常動作、危険動作、危険場所立ち入り、破損、破壊・損傷、破壊・破断、ワイヤロープ切断、玉掛けワイヤロープ、身体的被害、死亡、事故死、落下した荷が激突
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情報源 |
安全衛生情報センター
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死者数 |
1 |
分野 |
材料
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データ作成者 |
河島 邦寿 (元(社)日本クレーン協会)
小林 英男 (東京工業大学)
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