事例名称 |
p‐トルエンスルホニルジメチルヒドラゾンの仮保管中の自然発火 |
代表図 |
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事例発生日付 |
1970年 |
事例発生地 |
大阪府 大阪市 |
事例発生場所 |
化学工場 |
事例概要 |
出火前日p-トルエンスルホニルジメチルヒドラゾンの乾燥を行い、随時紙袋に詰めて積み上げた。16時作業終了して放置したところ,未明に出火した。余熱があると発熱反応が急速に進行して火災に至ることがあるため,冷却した後保存するよう作業手順を定めた。 |
事象 |
p-トルエンスルホニルジメチルヒドラゾンの乾燥を行い、随時紙袋に詰めて積み上げて置いたところ未明に出火した。 |
プロセス |
貯蔵(液体) |
単位工程フロー |
図2.単位工程フロー
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物質 |
p-トルエンスルホニルジメチルヒドラゾン(p-toluenesulfonyl dimethyl hydrazone)、図3 |
事故の種類 |
火災 |
経過 |
1. 出火前日、p-トルエンスルホニルジメチルヒドラゾンの乾燥を行い、随時紙袋に詰めて積み上げ、16時に作業を終了した。 2. 翌日未明に出火した。 |
原因 |
次の原因が推測された。 1.温度が高いままの詰め込みで、蓄熱を除去できなかった。 2.製造途中に混入したと思われる不純物、遊離酸により分解反応が促進された。 |
対策 |
作業手順の標準化 |
知識化 |
反応性のある粉体は予熱された状態で蓄積すると、発火や分解を引き起こすことがある。取り扱い条件での熱物性、反応性を確認しておくことが重要である。 |
背景 |
作業手順の未整備が最大の要因であろう。1970年という時代では、管理側に作業の標準化という意識が希薄だったのか、あるいは危険性の認識が強くなかった等が推測される。 |
データベース登録の 動機 |
蓄熱発火の典型的事故例 |
シナリオ |
主シナリオ
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価値観不良、安全意識不良、リスク認識不足、不注意、理解不足、リスクに関する理解不足、計画・設計、計画不良、手順書のスケジュール計画不良、不良現象、化学現象、蓄熱、二次災害、損壊、火災
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情報源 |
田村昌三,若倉正英監修、反応危険 -事故事例と解析-、施策研究センター(1995)、p.151
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物的被害 |
化成品工場集積場焼損 |
マルチメディアファイル |
図3.化学式
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備考 |
定常作業 |
分野 |
化学物質・プラント
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データ作成者 |
若倉 正英 (神奈川県 産業技術総合研究所)
田村 昌三 (東京大学大学院 新領域創成科学研究科 環境学専攻)
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