事例名称 |
ニトロソ化反応中における不注意による温度上昇で爆発 |
代表図 |
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事例発生日付 |
1962年11月05日 |
事例発生地 |
山口県 宇部市 |
事例発生場所 |
研究所 |
事例概要 |
安息香酸のニトロソ化の実験で収率の向上のために温度を上げすぎて爆発が起こり、2名が負傷した。事前の安全性の検討では、使用する試薬についての熱的な危険性は確認していたが、混合した場合の熱的不安定性について確認していなかった。また、万一の場合に備えた十分な防護処置がなされていなかったために負傷事故となった。 |
事象 |
事業所の研究室で安息香酸のニトロソ化の実験中に爆発が起こり、2名が負傷した。 |
プロセス |
研究開発(研究) |
単位工程フロー |
図3.単位工程フロー
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反応 |
ニトロソ化 |
化学反応式 |
図2.化学反応式
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物質 |
安息香酸(benzoic acid)、図4 |
過塩素酸ニトロシル(nitrosyl perchlorate)、図5 |
過塩素酸(perchloric acid)、図6 |
事故の種類 |
爆発 |
経過 |
安息香酸4.1g、過塩素酸ニトロシル3.8g、70%過塩素酸水溶液15gを混合し、攪拌しながら98~99℃まで昇温する途中で爆発が起こった。 |
原因 |
収率を高めようとして温度を上げすぎたため爆発が起こった。前回の実験では90℃まで上げて実験したが、十分な収率が得られなかったため、さらに温度を上げて実験を行った。実験に使用した試薬は単独では100℃以下で比較的安定であることを確認していたが、混合物が100℃付近で発熱的に分解して炭酸を発生することは確認していなかった。 |
対策 |
1.実験従事者に事前の安全性の検討に関する教育・訓練を行う。 2.実験従事者を防護する設備の設置をする。 |
知識化 |
1.実験では、未知のことを試みるので、事前に操作中の安全性を十分検討しなければならない。 2.とくに化学反応の実験では、予知し得なかった反応が起こる可能性があるので、実験従事者を防護する設備を設ける。 3.化学物質は単独で扱う場合は安定であっても混合すると不安定になることがある。 |
背景 |
1.実験前の危険要因の検討が不十分であった。 2.実験従事者に対する防護設備の不備があった。 |
データベース登録の 動機 |
実験における安全性検討不足による事故事例 |
シナリオ |
主シナリオ
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調査・検討の不足、事前検討不足、熱安定性未確認、不注意、理解不足、リスク認識不足、価値観不良、安全意識不良、安全教育・訓練不足、ニトロソ化反応、不良行為、規則違反、安全規則違反、非定常行為、変更、温度上昇、不良現象、化学現象、予想外の反応、二次災害、損壊、爆発、身体的被害、負傷、2名負傷
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情報源 |
田村昌三,若倉正英監修、反応危険 -事故事例と解析-、施策研究センター(1995)、p.86
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負傷者数 |
2 |
被害金額 |
2550円 |
マルチメディアファイル |
図4.化学式
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図5.化学式
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図6.化学式
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分野 |
化学物質・プラント
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データ作成者 |
小川 輝繁 (横浜国立大学大学院 工学研究院 機能の創生部門)
田村 昌三 (東京大学大学院 新領域創成科学研究科 環境学専攻)
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