事例名称 |
原料仕込み量の誤りによるニトロアニリン製造装置の爆発 |
代表図 |
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事例発生日付 |
1969年01月01日 |
事例発生場所 |
化学工場 |
事例概要 |
p‐ニトロアニリンの製造装置で、反応釜への原料供給を予備ポンプに変更した。原料供給量が変わり、圧力、温度が急激に上昇し、反応釜が爆発して、5名が負傷した。圧力調整弁の解放が不十分、安全弁が作動しなかった、運転員が適切な応急対応をすることができなった等が重なり爆発に至った。 |
事象 |
p‐ニトロアニリンの製造装置で、原料供給を予備ポンプに切り替えた。その結果、反応釜の圧力、温度が急激に上昇して反応釜が爆発し、5名が負傷した。なお、原料はp‐ニトロクロロベンゼンとアンモニアである。 |
プロセス |
製造 |
単位工程 |
反応 |
単位工程フロー |
図3.単位工程フロー
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反応 |
その他 |
化学反応式 |
図2.化学反応式
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物質 |
p-ニトロクロロベンゼン(p-nitorochlorobenzene)、図4 |
アンモニア(ammonia)、図5 |
p-ニトロアニリン(p-nitroaniline)、図6 |
事故の種類 |
爆発 |
経過 |
1. p‐ニトロクロロベンゼンとアンモニアを反応させ、p‐ニトロアニリンを製造中に送液ポンプが故障した。 2. そこで予備ポンプに切り換えて、原料を反応釜に供給した。 3. 供給量が変わり、反応速度が上昇したため、圧力、温度が急上昇して反応釜が爆発し、5名が負傷した。 |
対策 |
1.運転員の異常時対応に対する教育・訓練を行う。 2.異常時対応の安全機器・設備の保守点検を定期的に実施する。 |
知識化 |
1.反応装置について反応暴走に至るシナリオを検討し、反応暴走に結びつく欠陥事象の排除に努める。 2.万一反応暴走が起こっても反応槽等が破裂爆発しないような安全対策を講じる。 |
背景 |
1.異常時対応措置が不十分であった。 2.元の資料の記載がないのでよく分からないが、仕込み量を誤ったことが最大原因のようだ。 流量測定、流量制御ができていないと思われる。装置運転の基本が完全に無視されている様に思われる。 |
データベース登録の 動機 |
安全設備や緊急時対応設備の保全をおろそかにして起こった事故例 |
シナリオ |
主シナリオ
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価値観不良、安全意識不良、リスク認識不良、調査・検討の不足、仮想演習不足、想像力不足、その他の反応、計画・設計、計画不良、設計不良、非定常操作、緊急操作、予備機起動、機能不全、システム不良、流量異常、不良現象、化学現象、異常反応、二次災害、損壊、爆発、身体的被害、負傷、5名負傷
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情報源 |
田村昌三,若倉正英監修、反応危険 -事故事例と解析-、施策研究センター(1995)、p.132
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負傷者数 |
5 |
物的被害 |
反応容器破裂、製造部分のほとんどが破壊 |
マルチメディアファイル |
図4.化学式
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図5.化学式
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図6.化学式
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備考 |
WLP関連教材 ・化学プラントユニットプロセスの安全/仕込み |
分野 |
化学物質・プラント
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データ作成者 |
小川 輝繁 (横浜国立大学大学院 工学研究院 機能の創生部門)
田村 昌三 (東京大学大学院 新領域創成科学研究科 環境学専攻)
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