事例名称 |
地震による製油所屋外タンクの底板破損で重油の全量流出 |
代表図 |
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事例発生日付 |
1978年06月12日 |
事例発生地 |
宮城県 仙台市 |
事例発生場所 |
製油所 |
事例概要 |
1978年6月12日、宮城県沖地震によりタンクのアニュラー板に亀裂が生じた。流出した油で亀裂前方の基礎が洗掘され亀裂を拡大した。アニュラー板の経年劣化も要因の1つである。 |
事象 |
マグニチュード7.4の宮城県沖地震により製油所の貯蔵タンク3基が大破し、重油68100kLが流出した。 |
プロセス |
貯蔵(液体) |
物質 |
重油(fuel oil) |
事故の種類 |
漏洩、環境汚染 |
経過 |
1978年6月12日、地震によりアニュラ板に亀裂が発生し、油が流出した。流出した油は亀裂前方の基礎を洗掘し、亀裂を拡大させ、破断の長さが20~40mに達した。 |
原因 |
1.地震によりアニュラ板に上下方向の繰り返し変形を起こし、低サイクル疲労により亀裂が生じた。 2.アニュラ板がいずれのタンクにおいても腐食しており板厚が減少していた。図2参照 |
対策 |
1.経年変化による材料の強度低下を安全な範囲にとどめる。必要に応じて補修を行う。鋼板をコーティングする。 2.開放検査の際に、コーティングの劣化や腐食状態の点検を実施する。 |
知識化 |
自然災害とはいえ、事前の地盤調査や緊急時の対応についての検討は欠かせない。 |
背景 |
管理が十分でないところに地震が追い打ちした。 |
データベース登録の 動機 |
地震による災害例 |
シナリオ |
主シナリオ
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価値観不良、安全意識不良、リスク認識不良、組織運営不良、管理不良、管理の緩み、使用、保守・修理、点検不十分、破損、減肉、腐食、破損、大規模破損、破断・漏洩、二次災害、環境破壊、海上汚染重油68000kl、組織の損失、経済的損失、重油貯蔵タンク3基破損他
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情報源 |
亀井浅道(安全工学協会編)、火災爆発事故事例集、コロナ社(2002)、p.172-179
亀井浅道、危険物事故事例セミナー(1995)、p.55-67
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物的被害 |
タンクのアニュラ板の隅肉溶接部継手の止端部にそって長さ20~40m破断。 |
マルチメディアファイル |
図2.アニュラ板の腐食減肉図
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備考 |
54.12.25付け消防庁課長通達”屋外タンク貯蔵所地震対策についての”の原因事故 |
分野 |
化学物質・プラント
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データ作成者 |
板垣 晴彦 (独立行政法人産業安全研究所 化学安全研究グループ)
田村 昌三 (東京大学大学院 新領域創成科学研究科 環境学専攻)
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