失敗事例

事例名称 パレードカー飾り作成中の火災
代表図
事例発生日付 1995年02月05日
事例発生地 兵庫県 小野市
事例発生場所 製作所
事例概要 パレード用の飾りを製作中に、溶剤に使用していたアセトンの取扱いを間違えて火災になった。少量の危険物(アセトン)を扱う事業所での安全教育が十分でないために起こったと考えられる。
事象 少量の危険物(アセトン)を扱う事業所で取扱い不注意による火災を起こした。
プロセス 使用
物質 アセトン(acetone)、図2
事故の種類 火災
経過 発泡スチロールでパレードカーの飾りを作成していた。アセトンで発泡スチロールを溶解後、ニクロム線で切断していた。アセトンが引火して火災となった。
原因 使用していたアセトンの残りがニクロム線の高温により引火した。取扱いの不注意による。
対処 公設消防が出動した。
対策 入手が容易で一般に広く使われているアセトンの危険性を認識していなかったためで、従業員の安全教育が重要である。
知識化 アセトンがガソリンに近い危険性を有していること(引火点:18℃)を認識していなかった。少量の危険物でも火災を起こすには十分である。消防への届出が不要なため、安全への配慮が足りないケースがある。
背景 従業員がアセトンの危険性を認識していなかった。それ以上に事業の責任者が危険認識を持ち、設備の安全化を図り、教育をしていたかが問題であろう。
よもやま話 ☆ 一般の工場等での少量危険物の取り扱いは消防の許可や届出も不要なために安全面の配慮が十分ではない場合がある。
データベース登録の
動機
一般的な危険物の使用者が、その取扱い危険性を理解していない例
シナリオ
主シナリオ 価値観不良、安全意識不良、リスク認識不良、無知、知識不足、学識・経験とも不足、不良行為、規則違反、安全規則違反、計画・設計、計画不良、二次災害、損壊、火災
情報源 産業と保安、Vol.12(No.41)(1996)、p.7
死者数 0
負傷者数 5
被害金額 166万円(産業と保安)
マルチメディアファイル 図2.化学式
分野 化学物質・プラント
データ作成者 古積 博 (独立行政法人消防研究所)
田村 昌三 (東京大学大学院 新領域創成科学研究科 環境学専攻)