失敗事例

事例名称 タンカーに灯油積み込み中のバルブ開閉作業の遅れによる漏洩
代表図
事例発生日付 1990年09月28日
事例発生地 神奈川県 川崎市
事例発生場所 桟橋
事例概要 灯油の船積み作業中に、船倉への振り分けバルブの開閉作業が遅れ、船倉をオーバーフローさせた。作業内容の確認不徹底が誤操作を生じ、漏洩による海洋汚染を発生させた。
事象 小型タンカーに灯油300kLを積み込み中、船倉への振り分けのバルブを閉め忘れたため灯油が海上に流出した。
プロセス 輸送
単位工程 移送
物質 灯油(kerocene)
事故の種類 漏洩、環境汚染
経過 1990年9月28日10時12分 灯油流出
原因 バルブの閉め忘れによるオーバーフロー
対処 オイルフェンスによる拡散防止措置、廃油回収
対策 荷役作業中の指示確認、作業確認の徹底
知識化 船積み等の共同作業では、作業指示、作業の確認徹底などについて作業の事前に綿密な打合せを行うことが重要である。
背景 作業者同士の連絡、確認の不徹底
よもやま話 ☆ 海上流出量が資料により大きく違っている。海上流出すると非常に薄い膜になり広がるので、1Lの流出でも多量に流出したように見えることもある。積み込みポンプの能力を考えると5kLも可能性があり、どれが正しいのであろうか。
☆ 積み込み量全体なら、計装システムの定容量出荷設備により自動的に制御できる。積み込み中の船倉の切り換えは人力に頼る部分が多いのであろう。
データベース登録の
動機
作業者同士の連絡不備による事故例
シナリオ
主シナリオ 不注意、注意・用心不足、取扱い不適、組織運営不良、運営の硬直化、連絡情報不足、定常操作、誤操作、忘れた、遅れた、二次災害、損壊、漏洩、二次災害、環境破壊、海上漏洩
情報源 高圧ガス保安協会、石油精製及び石油化学装置事故事例集(1995)、p.102
死者数 0
負傷者数 0
被害金額 240円(高圧ガス保安協会による)
社会への影響 5L漏洩し、1Lが海上に流出した。(高圧ガス保安協会による).
海上に60L流出した。(消防庁による).
海上に5kL流出した。(朝日新聞による).
分野 化学物質・プラント
データ作成者 若倉 正英 (神奈川県 産業技術総合研究所)
田村 昌三 (東京大学大学院 新領域創成科学研究科 環境学専攻)