事例名称 |
発泡ポリスチレンの溶融減容機の爆発 |
代表図 |
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事例発生日付 |
1997年06月14日 |
事例発生地 |
静岡県 |
事例発生場所 |
プラスチック再生処理工場 |
事例概要 |
発泡ポリスチレンの溶融減容器の試運転で爆発した。生成したガスの滞留部が生じた。廃棄物処理設備では安全対策が軽視されがちであるが、多種の化学品を処理するため思わぬ事故が起こることがある。また、化学装置に比べて作業者の安全に対する意識も低いため、事前の危険要素の抽出と本質安全的な防御機器の設置や教育が重要である。 |
事象 |
発泡ポリスチレン減容機を初運転した。廃発泡スチロール投入後5分~10分後に爆発し、飛散した投入扉で作業者が死亡した。 |
プロセス |
廃棄 |
物質 |
ブタン(butane)、図2 |
ポリスチレン(polystyrene)、図3 |
事故の種類 |
爆発 |
経過 |
1997年6月14日09:00 溶融減容機が設置がされた。 10:00 納入業者により設置状況を確認し、電源投入をした。 10:15 45分間の暖機運転を行った。 11:00 納入業者により、取扱説明がされた。 13:30 発泡ポリスチレンの投入を開始し、実運転に入った。 13:35 機械前で作業者が倒れていた。 |
原因 |
廃発泡ポリスチレンの溶融時には、ブタンやスチレンなどのガスが発生するため1分間に5回換気をする。しかし、炉内の構造から滞留部を生じ静電気火花により、排ガス中のブタン、スチレンに着火した。 |
対策 |
廃プラスチックの溶融処理では可燃性ガスの発生があることを周知し、教育・訓練や可燃性混合気に対する安全対策を行う。 |
知識化 |
廃棄物処理工程には化学品の処理も多いが、作業責任者には化学的な専門性がない例が多い。そのような施設では化学装置以上に本質安全化が必要である。 |
背景 |
1.可燃性ガスの発生が予測されていたのに、安全知識が無く、教育・訓練も未実施だった。 2.静電気対策が不十分であった。 3.溶融機の上部に爆発放散孔がなかった。 |
データベース登録の 動機 |
廃棄物処理設備に特有の安全知識と対策が不十分なため起こった事故例 |
シナリオ |
主シナリオ
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価値観不良、安全意識不良、安全対策不足、組織運営不良、運営の硬直化、教育、訓練不足、無知、知識不足、勉学不足、計画・設計、計画不良、設計不良、不良現象、熱流体現象、滞留、二次災害、損壊、爆発、身体的被害、死亡
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情報源 |
中央労働災害防止協会安全衛生情報センター、労働災害事例 No.100211、 中央労働災害防止協会ホームページ
中央労働災害防止協会、災害発生状況の詳細(2002)
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死者数 |
1 |
負傷者数 |
0 |
マルチメディアファイル |
図2.化学式
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図3.化学式
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分野 |
化学物質・プラント
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データ作成者 |
若倉 正英 (神奈川県 産業技術総合研究所)
田村 昌三 (東京大学大学院 新領域創成科学研究科 環境学専攻)
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