事例名称 |
廃油処理施設で安易な処理方法により油泥槽の火災 |
代表図 |
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事例発生日付 |
1998年05月27日 |
事例発生地 |
兵庫県 神戸市 |
事例発生場所 |
廃棄物処理場 |
事例概要 |
廃棄物処理業者の廃油処理施設において、クレーンバケットで廃油泥を焼却炉に移そうとした。炉の火が引火して、燃焼した。これをいったん消火してバケットの中身を油泥槽に戻そうとて、油泥槽が火災になった。配管を使い閉鎖系で投入する作業を、開放系で投入したことと、油泥に引火性の高い廃油を混入させたことが原因である。 |
事象 |
廃棄物処理業者の廃油処理施設において、クレーンバケットで廃油泥を焼却炉に移そうとした(図2参照)。 炉の火がクレーンバケットの廃油に引火して、燃焼した。これをいったん消火してバケットの中身を油泥ピットに戻そうとした。油泥ピットの廃油に引火し、火災となった。 |
プロセス |
廃棄 |
単位工程フロー |
図2.単位工程フロー
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物質 |
廃油(waste oil) |
事故の種類 |
火災 |
経過 |
1. 油泥ピットから焼却炉への配管が故障した。 2. 配管の代わりにクレーンバケットで油泥をくみ上げた。 3. 焼却炉のホッパーから投入しようとした。 4. 投入する前に、バケットの油泥に着火した。 5. バケットの火を消火して、バケットの中身を油泥ピットに戻そうとした。 6. 油泥ピットの油泥に引火して、火災となった。 |
原因 |
1.本来、配管で行う作業を、配管が故障したためクレーンバケットで投入した。そのため、廃油泥をオープンの状態で炉に近づけた。 2.バケットの中が完全消火されていることを確認せずにバケットの中身を油泥槽に戻した。 3.引火性の高い物質を含んだ廃油泥を安易に炉に近づけた。あまりにも安易な行動である。 |
知識化 |
仮に引火性の低い物質でも、引火性の高い油を混合すれば引火しやすくなる。無意識に異なる廃油を混合するのは危険な行為である。 |
背景 |
事業所全体に危険な作業をしているとの認識が不足していたと思われる。 1.配管を使い閉鎖系で投入する作業を、配管が故障したので、安易に開放形にして炉に投入した。 2.引火性の高い廃油を産業廃棄物に混入させてホッパーに投入した。こたさらに、処理業者が危険を意識せずに危険な状態を作り出している。 |
データベース登録の 動機 |
軽質油の混入した廃油の焼却処理中の火災例 |
シナリオ |
主シナリオ
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価値観不良、安全意識不良、リスク認識不良、組織運営不良、運営の硬直化、教育・訓練不足、不注意、注意・用心不足、取扱い不適、使用、廃棄、焼却処理、非定常行為、変更、手順変更、二次災害、損壊、火災、身体的被害、負傷、4名負傷
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情報源 |
消防庁、危険物に係る事故事例‐平成10年(1999)、p.382-383
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死者数 |
0 |
負傷者数 |
4 |
物的被害 |
廃油槽被災.クレーンバケット,油圧ショベル各一部焼損. |
被害金額 |
1万円未満(消防庁による) |
分野 |
化学物質・プラント
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データ作成者 |
小川 輝繁 (横浜国立大学大学院 工学研究院 機能の創生部門)
吉永 淳 (東京大学大学院 新領域創成科学研究科 環境学専攻)
田村 昌三 (東京大学大学院 新領域創成科学研究科 環境学専攻)
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