事例名称 |
移動式クレーンで吊り上げた荷の落下 |
代表図 |
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事例発生日付 |
1997年02月13日 |
事例発生地 |
宮城県仙台市 |
事例発生場所 |
立体駐車場建築工事現場 |
事例概要 |
この災害は,鉄骨造8階建ての立体駐車場の建築工事において、移動式クレーンを用いて,工事中の7階床の開口部から外壁材を吊りこむ作業中、吊り荷が落下して,3階床上で荷受けのため待機していた2名の作業員が被災したものである。 |
事象 |
移動式クレーンによって吊り上げた荷が落下した |
経過 |
外壁材を3階に搬入する作業は,工事中のビルの北側に移動式クレーンを設置し、トラックで運搬されてきた荷を玉掛けし、約20メートル吊り上げて7階床の開口部から下方へ吊り降ろすものである。 午後9時30分頃、三角スリングで玉掛けした外壁材を約20メートル吊り上げ,開口部を通過しやすいように介錯ロープで吊り荷を回転させたところ、結束されていなかった外壁材2枚が三角スリングのワイヤの間からずれて落下した。 |
原因 |
・吊り荷である8枚のコンクリート製の外壁材の玉掛け方法が適切でなかったため、そのうちの2枚が落下した ・作業者が危険な吊り荷の下方に立ち入った |
対処 |
・移動式クレーンで荷を吊り上げる場合には,吊り荷の形状、重量等に対応した用具を用い、適切な方法により玉掛けを行うこと ・吊り荷の下には,原則として作業員を立ち入らせないこと |
対策 |
移動式クレーン等による作業は、複数の作業者が密接な連携のもとに作業を行うことが必要であり、そのため、作業責任者、指揮者、玉掛け合図者等を定め、指示・命令系統及びその役割分担と責任範囲を明確にして作業を行うことが必要である。 |
知識化 |
・ばら物の吊り荷は,必ず結束し、又は袋に入れて吊り上げること ・吊り荷の下方には,作業員を立ち入らせないこと |
背景 |
・作業場所は,作業を安全に行うために必要な焦土が確保されていなかった ・元請けの作業員と下請けの作業員間での連携が十分でなかった |
データベース登録の 動機 |
クレーン作業における典型的な災害事例であること |
シナリオ |
主シナリオ
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手順の不遵守、手順無視、玉掛け方法不適切、組織運営不良、運営の硬直化、情報連絡不足、定常動作、危険動作、危険場所立入り、破損、破壊・損傷、吊り荷落下、身体的被害、死亡
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情報源 |
http://www.jaish.gr.jp (安全衛生情報センター)
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死者数 |
1 |
負傷者数 |
1 |
物的被害 |
不明 |
被害金額 |
不明 |
全経済損失 |
不明 |
社会への影響 |
移動式クレーンによる災害は多く発生しており、その災害防止は、労働安全上重要な課題となっている。 |
マルチメディアファイル |
図2.吊荷状況
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図3.断面図
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分野 |
建設
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データ作成者 |
北山 宏幸 (社団法人 日本クレーン協会)
國島 正彦 (東京大学)
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