事例名称 |
H型鋼がクランプに引っかかり落下し作業員が被災 |
代表図 |
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事例発生日付 |
1997年02月11日 |
事例発生地 |
大阪府 |
事例発生場所 |
浄水場建設工事現場 |
事例概要 |
浄水場建設工事に使用した仮設桟橋の解体工事において発生した。仮設桟橋に使用した覆工板とH型鋼を解体し、それらを移動式クレーンによってトレーラーに積み込む作業中にH型鋼が吊り上げ用クランプに引っかかり落下し、作業員2名が下敷きとなって死亡した。 |
事象 |
トレーラに積み込んだH型鋼がクランプに引っかかり落下し作業員が下敷きとなった。 |
経過 |
当該工事に使用した仮設桟橋の撤去作業のために、移動式クレーンを用いて60枚覆工板を撤去し、空き地に仮置きをした。その後、運搬用のトレーラに積み込む作業を行った。覆工板を積み込んだ後に、仮設桟橋からH型鋼を撤去し直接トレーラに積み込む作業を行った。4本目のH型鋼を積み込んだ後にクレーンのフックを巻き上げたとき、フックの先端に取り付けられていたクランプがH型鋼に引っかかりH型鋼が浮き上がった。トレーラ上で作業をしていた2名の作業員は地面に飛び降りたが、直後にH型鋼が落下し2名の作業員が下敷きとなった。 |
原因 |
一般に、H型鋼を吊り上げるためのワンタッチ式と呼ばれるクランプは、吊り上げ時の荷重がクランプ開口部にセットされた物の保持力として発揮される機構となっている。クレーンオペレータや作業指揮者がH型鋼にクランプが引っかかり浮き上がったことを死角に入っていたために気が付かなかった。 |
対処 |
当該クランプの危険性と玉掛け作業方法の策定を周知徹底させた。 |
対策 |
使用器具の改善、玉掛け作業方法の策定を周知徹底をすること。 |
知識化 |
利便性の高い機械や道具類の危険性を把握し、作業方法を事前に検討し周知すること。 |
背景 |
利便性の高いクランプを使用するときの危険性を認識していなかった。重量物積み込み作業時にオペレータや作業指揮者の死角に入るような作業を行っていた。被災者の一人は作業前の打ち合わせには参加していなかった。 |
データベース登録の 動機 |
利便性の高い道具も使い方を誤ると災害につながる典型的な事例と考えられるため。 |
シナリオ |
主シナリオ
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価値観不良、安全意識不良、リスク認識不足、無知、知識不足、過去情報不足、組織運営不良、管理不良、作業管理不良、不注意、理解不足、人員に対する理解不足、不注意、注意・用心不足、取扱不適、計画・設計、計画不良、設計不良、製作、ハード製作、建築工事、非定常操作、緊急操作、緊急停止、非定常動作、状況変化時動作、緊急時動作、身体的被害、死亡、事故死、起こり得る被害、潜在危険、クランプ機構不備、組織の損失、経済的損失、損害賠償、組織の損失、社会的損失、信用失墜
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情報源 |
http://www.jaish.gr.jp/
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死者数 |
2 |
負傷者数 |
0 |
物的被害 |
クランプおよび落下したH型鋼の損傷については不明。 |
被害金額 |
不明 |
全経済損失 |
不明 |
分野 |
建設
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データ作成者 |
花安 繁郎 (独立行政法人 産業安全研究所)
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