事例名称 |
小型ドラグ・ショベルで荷をつり旋回中に横転 |
代表図 |
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事例発生場所 |
小学校プール建設工事現場 |
事例概要 |
屋外プールの側溝となるU字溝を不整地運搬車からおろすため、運転手がU字溝を8本(総重量=656kg)玉掛けし、被災者が0.07m3の小型ドラグ・ショベルを運転し、このU字溝を8本を吊り上げ右旋回し、約90度廻ったところで横転した。被災者は運転席から投げ出され、斜面長9mの崖下まで転落し、死亡した。このときの吊り荷の荷重はショベルの吊り能力を大きく上回っていた。 |
事象 |
ドラグショベルが横転し、投げ出された運転者が斜面長9mの崖下まで転落して死亡した。 |
経過 |
・災害発生当日、屋外プールの側溝となるU字溝を布設するため、U字溝と砕石をプール建設場所まで運んだ。 ・U字溝と砕石の運搬は、不整地運搬車で行なった。 ・運搬してきたU字溝を不整地運搬車から下ろすために、U字溝を8本(総重量=656kg)を一纏めにして玉掛けした。 ・玉掛けは、不整地運搬車の運転者が行なった。 ・被災者は、バケット容量0.07m3の小型ドラグ・ショベルを運転し、このU字溝8本を吊り上げ、右旋回し約90度まわったところで、横転した。 ・ドラグショベルは、1.25m下の小段まで転落し止まった。 ・被災者は運転席から投げ出され幅4mの小段を飛び越え、さらに斜面長9mの崖下まで転落し、死亡した。 |
原因 |
・荷の吊り上げ作業に移動式クレーンを使用せず、掘削を主たる用途とするドラグ・ショベルを用途外使用した。 ・吊り荷の重量(656kg)が当該ドラグ・ショベルの能力(最大荷重:0.07m^3×1.8m^3/t=0.126t=126kg)を大きく上回っていた。 |
対策 |
・荷の吊り上げ作業には移動式クレーンまたはクレーン機能付きドラグ・ショベルを使用すること。 ・使用する車両建設機械の種類及び能力、作業の方法等を明かにした作業計画を作成し、当該計画に基づき作業すること。 |
シナリオ |
主シナリオ
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無知、知識不足、小型ドラグショベルの能力を考えないで玉掛実施、小型ドラグショベルを用途外使用、調査・検討の不足、事前検討不足、作業計画の不適切、重機の用途外使用の広義解釈、価値観不良、安全意識不良、安全教育・訓練不足、使用、運転・使用、重量オーバー状態で旋回、定常動作、危険動作、安全不備な動作、シートベルトの未着用、定常動作、誤動作、小型ドラグショベルを用途外使用、不良行為、規則違反、重量オーバー状態で旋回、不良現象、機械現象、小型ドラグショベルの転倒、破損、変形、落下・転落、運転席からの飛び出し、身体的被害、死亡
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情報源 |
安全衛生コンサルタント、(社)日本労働安全衛生コンサルタント会機関紙
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死者数 |
1 |
分野 |
建設
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データ作成者 |
前川 行正 (日本技術開発株式会社)
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