失敗事例

事例名称 鋼矢板がフーチング躯体を侵し、余計な支出を余儀なくされた。
代表図
事例発生日付 2001年09月30日
事例発生地 福岡県
事例発生場所 橋梁下部工現場
事例概要 この失敗は橋梁における事例である。ボックスカルバートが隣接する所で鋼矢板の先がフーチング躯体断面の一部を侵し(約55mm、設計上の許容範囲±30mm)、鋼矢板の手直しが発生し、余計な支出を余儀なくされた。
事象 鋼矢板の先がフーチング躯体を侵す。
経過 フーチング躯体に近接してボックスカルバートがあるため、最大限距離を取り、施工する計画を立てた。先行堀完了後、鋼矢板を打設し、掘削後フーチング墨だしを行ったところ、鋼矢板の一部がフーチング躯体断面を侵していることが判明した。
原因 ・鋼矢板がボックスカルバートのベースコンクリートに当たり変形した。
・鋼矢板は変形しやすいが、そのことを考慮した検討になっていなかった。
・重要箇所の施工にもかかわらず、業者任せに施工を行い、管理しなかった。
対処 鋼矢板の不良の背面を薬液注入後、矢板を切断し、断面を確保できるよう補強した。
対策 ・施工計画作成前に関連情報を収集し、図面に落として確認する。
・現場の巡回時に自ら施工状況を確認し、指導する。
・施工方法検討時に経験者や協力業者を交え、潜在的な問題点の検討を行う。
・配下の職員に管理方法を指導、教育する。
知識化 ・図面を書いて検討すること。
・隣接区域を含んだ工事区域の履歴調査を行うこと。
・人任せの仕事は絶対しない。
データベース登録の
動機
隣接区域の構造物に関する失敗であること。
シナリオ
主シナリオ 不注意、理解不足、ボックスカルバートのベースコンの認識不足、調査・検討の不足、事前検討不足、施工前の検討不足、組織運営不良、管理不良、業者任せ、計画・設計、計画不良、ボックスカルバートのベースコンの認識不足、機能不全、ハード不良、フーチング断面の未確保、組織の損失、経済的損失
情報源 (株)熊谷組九州支店、失敗例活用研究会
死者数 0
負傷者数 0
物的被害 あり
被害金額 200万円
分野 建設
データ作成者 藤本 勝 (株式会社 熊谷組)