事例名称 |
切りばり設置中、土砂災害により鋼板に挟まれる |
代表図 |
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事例発生地 |
M市 |
事例発生場所 |
N汚水枝線工事 |
事例概要 |
この災害は汚水管工事における土砂崩壊である。土止め矢板の代わりに鋼板2枚を掘削面の両側に立てかけた後、鋼板の裏の土砂が崩壊して、中に入っていた作業員1名が死亡した。 |
事象 |
掘削溝の土砂が崩壊し鋼板が倒れた。 |
経過 |
汚水管を埋設するため溝を掘削し、土止め矢板の代わりに鋼板2枚を掘削面の両側に立てかけた後、被災者は溝の中に降り、鋼板の間に立って切りばりを受け取ろうとしていた時に、鋼板の裏の土砂が崩壊して鋼板が倒れ、被災者は倒れた鋼板に頭部を挟まれ死亡した。 |
原因 |
・掘削箇所の直近に埋め戻し土があり、崩壊し易い状態であった。 ・土砂崩壊のおそれがあったにもかかわらず、掘削溝の中に入った。 ・安全な掘削作業手順が周知されていなかった。 ・作業主任者がその職務を十分に果たしていなかった。 ・掘削箇所の調査が十分でなかった。 ・安全衛生管理体制が不十分だった。 ・安全衛生教育が不十分だった。 ・施工中の労働災害防止について発注者の配慮が十分でなかった。 |
対策 |
・土止め支保工の組立時に溝の中に入って作業しなくてもすむ工法を採用する。 ・地盤調査結果に基づき作業計画を策定する。 ・土止め支保工を組み立てるときは、あらかじめ組立図を作成する。 ・安全作業標準を作成し、関係労働者に周知展開をはかる。 ・作業主任者に安全作業手順を直接指揮させる。 |
知識化 |
・作業手順の重要性。 ・事前調査の重要性。 |
データベース登録の 動機 |
埋設管敷設作業における典型的な災害であること。 |
シナリオ |
主シナリオ
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不注意、注意・用心不足、危険な掘削溝への進入、手順の不遵守、手順無視、作業計画無視、調査・検討の不足、事前検討不足、作業手順の不定、調査・検討の不足、環境調査不足、掘削箇所調査不十分、価値観不良、安全意識不良、安全教育・訓練が不十分、組織運営不良、管理不良、安全衛生管理体制不十分、定常操作、手順不遵守、作業計画無視、定常動作、不注意動作、危険な掘削溝への進入、身体的被害、死亡、事故死、精神的被害、精神的損傷、関係者悲嘆、組織の損失、社会的損失、信用の失墜
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情報源 |
産業安全研究所
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死者数 |
1 |
負傷者数 |
0 |
物的被害 |
不明 |
被害金額 |
不明 |
全経済損失 |
不明 |
社会への影響 |
不明 |
分野 |
建設
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データ作成者 |
藤本 勝 (株式会社 熊谷組)
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