失敗事例

事例名称 鉄筋切断時に切断片が飛び出した
代表図
事例発生日付 2002年07月26日
事例発生地 広島県三原市
事例発生場所 浄水場建設工事現場
事例概要 浄水場建設工事で、流量計室の底版鉄筋が設計長より長かった。このため、鉄筋組み立て後、鉄筋の端部をハンド式鉄筋切断機で切断していたとき、その切断片が飛び、左眼にあたった。
事象 当日は、流量計室の底版鉄筋の組立作業を行っていたが、作業員は下筋の一部が設計より3~5cm程度長いことに気づいた。職長に相談したところ、職員から組立終了後に切断するように指示されたので、ハンド式鉄筋切断機で余分な鉄筋端部を切断することにした。作業員はハンド式切断機で設計の長さに切断したが、その際、破断片が飛び出して左眼に当たった。
経過 ・鉄筋切断作業は午後2時から開始したが、切断機の調子が悪いため、午後3時の休憩後に切断機を取り替えて作業を進めていた。
・作業終了直前の午後4時50分頃、切断した切断片が飛来して左眼に当たり負傷した。
原因 ・作業途中で鉄筋の高低に気づいたが、職長、担当職員と相談して、鉄筋組立終了後にハンド式鉄筋切断機で切断することにした。
・はじめのうちは手で鉄筋を押さえていたが、当該作業時には手で押さえていなかった。
・鉄筋の切断片が飛び、目に当たることを予測していなかった。
・鉄筋片が小さいため、予想以上に高く飛んだ。
・切断作業の詳細な手順の打合せを実施していなかった。
・切断作業を安易に実施させた。
対策 ・飛散防止のため、切断箇所に厚手の布か、目の小さい網などで押さえてから切断作業をする。
・防護面を使用する。
・鉄筋の仮組立時に鉄筋の寸法をチェックする。
・飛散が予想されるものについてはハンド式切断機を使用しない。
知識化 ・切断片は押さえていないと飛んでいく。
・飛ぶ方向は気ままでわからない。
・先程はたまたま、大丈夫だったが、この次はどうか?
・自らの身は、自分で守れ!
・慣れは禁物!
当事者ヒアリング ・作業終了(午後5時)までに切断作業を完了しようとした。
データベース登録の
動機
同じまちがいを繰り返さないために
シナリオ
主シナリオ 不注意、注意・用心不足、マンネリ、組織運営不良、管理不良、作業管理不良、価値観不良、安全意識不良、保護具の未使用、製作、ハード製作、鉄筋組立工事、非定常行為、変更、作業内容変更、定常動作、危険動作、不安全な動作、破損、破壊・損傷、切断片飛散、身体的被害、負傷、重傷
死者数 0
負傷者数 1
分野 建設
データ作成者 北島 宗和 (鉄建建設株式会社)