事例名称 |
ユニック車のブームで架空線を損傷 |
代表図 |
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事例発生日付 |
2002年07月29日 |
事例発生地 |
熊本県下益城郡小川町 |
事例発生場所 |
送水管布設工事現場の現場外資材置き場 |
事例概要 |
重機オペレータは一人で資材置場においてあるダクタイル管を取りに行った。荷物を4tユニック車に積み込み、資材置き場から出ようとしてバックで車を移動させたところ、上空を横断している架空線をユニック車のブームで切断した。この影響で、隣接している高圧線を損傷、地絡現象により停電を引き起こした。 |
事象 |
重機オペレータがダクタイル管をユニック車に積んで、資材置き場から出る際、ユニック車のブームを格納し忘れ、この状態で置き場からバックで出ようとしたため、架空線を切断した。 |
経過 |
・午後の作業開始後、職長の指示により重機オペレータは、一人で現場から200m離れた資材置き場にダクタイル管を取りに行った。 ・オペレータは置き場に前進で進入し、ユニック車のブームを伸ばし、所要のダクタイル管を積み込んだ。 ・積込み終了後、ユニック車のアウトリガーを格納した。(が、その際、本人はブームも格納したと思い込んだ。) ・運転席に戻り、バックギヤーを入れ、後方に移動を開始した。 ・ユニック車を3~4m移動させた時、上空を横断している架空線のうち、有線回線をユニック車のブームで切断した。 ・切断された有線回線は、切断時の跳ね返り現象で隣接していた電力会社の高圧送電線に絡まった。 ・有線回線の復旧および電力会社の停電調査で、停電は高圧線に絡みついた有線ケーブルが原因ではないかとの見解。 ・ケーブル切断箇所付近で高圧線に損傷があることが判明した。 |
原因 |
・アウトリガーを格納した際、ブームも格納したと思い込んだ。 ・資材置き場での作業は誘導員をつけて何回も実施していたが、当日は単独作業であった。 ・気温、湿度とも高く、注意力が低下していた。 ・本人は有線回線を切断しただけで、高圧線が地絡していることは知らなかった。 ・架空線に対する高圧線防護、空頭防護、注意標識表示が無かった。 ・材料置き場が狭く、4tユニックの旋回が出来なかった。 ・現場内での安全指示は実施していたが、資材置き場での安全指示、安全管理が徹底されていなかった。 ・工事着手時に電力会社と高圧線防護に関する協議・依頼をしていなかった。 ・クレーン作業手順書に、現地に則した架空線など障害物に対する注意・指示事項明記されなかった。 |
対策 |
・電力会社と協議し、架空線に防護管を設置する。 ・資材置き場は狭隘で、4t以上の車輌は場内で旋回できないため、このような場合、誘導員を配置する。 ・資材置き場には材料納入業者も出入りするので、連絡体制を確立し、その都度、必要な指示をする。 ・外注協力会社および資材納入業者に対する安全教育を実施する。 ・職員による現場、資材置き場の現地巡回を実施する。 |
知識化 |
・後ろには目が無い、見えない、何も無い。 ・単独作業はやらせない。 ・危険要因には前もっての対策が肝心!! ・地絡現象は、本人にはわからない場合がある。 |
背景 |
・資材置き場が狭いため、ユニックのクレーン機能を使用する場合、ヤード内に前進で進入し、作業終了後バックで、道路に出ざるを得ない状況にあった。 |
データベース登録の 動機 |
同じまちがいを繰り返さないために |
シナリオ |
主シナリオ
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調査・検討の不足、環境調査不足、使用環境調査不足、価値観不良、安全意識不良、安全対策不足、誤判断、誤認知、勘違い、使用、運転・使用、ユニック車の後進、定常動作、不注意動作、架空線への接触・切断、不良現象、電気故障、断線・地絡、社会の被害、社会機能不全、停電、起こり得る被害、潜在危険、感電
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死者数 |
0 |
負傷者数 |
0 |
物的被害 |
停電 |
分野 |
建設
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データ作成者 |
北島 宗和 (鉄建建設株式会社)
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