事例名称 |
下り坂でスリップのため急ブレーキ、重ダンプトラックが横転 |
代表図 |
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事例発生日付 |
2001年09月03日 |
事例発生場所 |
土砂採取事業地内 |
事例概要 |
下り坂で90tダンプトラックがブレーキをかけたところ、タイヤがロックして、ダンプトラックが横転した。 |
事象 |
重ダンプ用の運搬路において、90tダンプトラックが土砂を満載した状態で下り走路を走行中、轍にハンドルを右側に取られ後輪がスリップ、ハンドルを反対方向に切り油圧ブレーキ(リターダ)をかけたところ、タイヤがロックして止まり、その反動で横転した。 |
経過 |
雨上がりの作業で、土砂運搬用の90tダンプトラックが下り坂を、荷物を満載して走行中、道路の轍にハンドルを取られ、ブレーキをかけたところ、タイヤがロックして止まり、その反動で90tダンプトラックが横転した。 |
原因 |
走路幅が8mと90tダンプトラック用の走路としては幅が狭く轍があった。 雨上がりで走路が滑りやすかった。 路面状態に比べて積荷が多かった。 走路補修がなされていなかった。 慌てて急ハンドル、急ブレーキ動作を行った。 |
対策 |
重ダンプの走路幅を10m以上とし、路肩に堰堤(H=1.5m)を設置する。 ブルドーザーもしくは、モーターグレーダーにより走路整備を行う。 作業条件の確認を、管理監督者を交えて相談し作業内容を決定する。 作業環境の異常(不安全箇所等)を発見したらただちに管理監督者に報告する。 事務所内にアンケート用紙を置き、オペレーターの意見等を参考にし今後の作業につなげる。 作業前に各自点検(ATK)を行い、異常個所があれば各担当職員に報告し早急に対処する。 各グループ毎のKY活動は時間をかけてでも内容あるKY活動にする。 |
知識化 |
ダンプトラックは、荷物をたくさん積むと、重心が不安定になり、急ブレーキ、急ハンドルは事故のもと。 ダンプ走路は充分な幅員で作業する。狭い道は同じ所ばかり通過するのですぐ傷む。 オペレーターへの危険についての意識が有っても、KY活動等で発言する場が無ければ、事故防止対策が取られず作業が続行し、結果として事故が発生する。 オペレーターのアンケートやヒヤリハットを調査し、各自点検やKY活動の充実を図ることが必要。 |
背景 |
雨上がりで走路が滑りやすい状態でも作業をしなければならない状況であった。 走路幅を充分にする準備期間、予算がなかった。 走路補修する予算がなかった。 作業サイクルに余裕がなくブルドーザー、もしくは、モーターグレーダーが走路補修する時間がなかった。 作業の段取りがオペレーター任せになっていた。 |
データベース登録の 動機 |
ダンプトラックの横転事故は多く発生している。その原因が複雑多岐であるため。 |
シナリオ |
主シナリオ
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誤判断、状況に対する誤判断、雨上がりの作業、環境への対応不良、使用環境の変化、作業環境の変化、企画不良、戦略・企画不良、狭い道路、価値観不良、安全意識不良、走路未整備、組織運営不良、管理不良、作業段取りオペまかせ、使用、運転・使用、ダンプの運転操作、非定常操作、緊急操作、急ブレーキ、非定常行為、非常時行為、パニック
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物的被害 |
90tダンプトラック |
分野 |
建設
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データ作成者 |
伊貝 星治 (株式会社 イチテック)
馬場 完治 (株式会社 イチテック)
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