事例名称 |
屋根の養生シートをはがす作業中、足を滑らせ墜落 |
代表図 |
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事例発生場所 |
木造2階建新築工事現場 |
事例概要 |
左官工自らが軒先転落防止用手摺を外し、復旧しないまま作業をしていて、足を滑らせ下屋から墜落した。安全帯も着用していなかった。 |
事象 |
外壁左官工事の上塗作業完了後、下屋の養生シート(ブルーシート)をはがしているとき、左官工A(59歳)が足を滑らせ、外部足場の転び止め(軒先転落防止用手摺の中桟)を越えて墜落した。 外部足場の軒先転落防止用手摺は、モルタル圧送のホースを設備するために、被災者本人が外して復旧しないまま作業にかかっていた。 ・作業前、作業中ともミーティングはなかった。 ・二次下請けの親方が、当日作業の作業員の配置と作業割り当てを行った。 ・当日は、管理者不在の状態にあり、混在作業の責任者である元請の現場責任者の指示命令はなかった。 |
経過 |
・8時30分に2次下請けの左官店の親方から左官工AとBが当日の作業について指示を受けた。 ・親方は、前日の作業内容を確認し、9時前に現場を離れた。 ・左官工AとBは9時から前日に引き続き1階周りの左官上塗り作業に入った。 ・午前中にほぼ1階周りが終了し、下屋の養生シートを敷き詰めてから12時に昼休みに入った。 ・午後1時から左官工AとBは2階周りの左官上塗り作業に入った。 ・午後4時前に2階周りの左官上塗りが終了し、養生シートの外しに入った。 ・午後4時頃、左官工Aが足を滑らせて、外部足場の転び止め用手摺を越えて地上に墜落した。 |
原因 |
1.安全帯が未着用であった。 2.養生シートに左官くずが付着しており、滑りやすかった。 3.軒先転落防止用手摺が外され、未復旧のまま作業が進められた。 4.作業前、作業中とも安全ミーティングが行われなかった。 5.高所作業に対する、高齢者への配慮がなかった。 6.外された手摺の箇所に安全措置がなかった。 7.安全教育・指導が守られなかった。 8.作業手順書がなかった。 |
対策 |
1.作業上やむなく外した、外部足場の手摺、作業床は外した者が責任を持って確実に復旧する。 2.外部足場で危険箇所をつくった場合の安全措置(立ち入り禁止、手摺ストッパーやロープ等)を徹底する。 3.安全教育・指導を各職末端作業者まで徹底する。 |
知識化 |
作業上やむなく取り外した、安全設備は作業終了後、必ず復旧しよう。 |
背景 |
・安全作業に対する意識が低かった。 ・いつも滑りやすい養生シートを使用して作業していた。 ・日頃の安全教育・指導が、末端作業者まで徹底されていなかった。 |
シナリオ |
主シナリオ
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不注意、理解不足、リスク認識不足、手順の不遵守、手順無視、安全設備未復旧のまま作業、手順の不遵守、手順無視、安全帯未使用、価値観不良、安全意識不良、リスク認識不良、組織運営不良、管理不良、安全ミーティングなし作業、定常動作、危険動作、落下・転落、不良行為、規則違反、安全帯未使用、不良行為、規則違反、安全設備未復旧のまま作業、身体的被害、負傷、重傷、組織の損失、社会的損失、信用失墜
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負傷者数 |
1 |
分野 |
建設
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データ作成者 |
伊貝 星治 (株式会社 イチテック)
馬場 完治 (株式会社 イチテック)
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