事例名称 |
一枚足場上を移動中墜落 |
代表図 |
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事例発生日付 |
1997年03月23日 |
事例発生地 |
東京都 |
事例発生場所 |
運河上の橋梁架設現場 |
事例概要 |
運河を横断する3径間連続鈑桁橋において、中央径間の縦桁増設・床版補強が終了したため、中央径間に架設されていた足場の解体作業を行なっていた。親綱の設置をしようとした作業員一名が一枚足場上を中央付近まで移動したとき足場上から4m下の運河に墜落して死亡した。 |
事象 |
一枚足場上を移動中墜落 |
経過 |
・主桁間に縦桁を増設・炭素繊維シート接着による床版補強・ガードパイプ・高欄取替えを行う作業は完了し、足場撤去作業を行なう最終段階に入っていた。 ・本工事で設置した足場は、3径間のうち2径間(側径間)は吊り足場としたが、中央径間は船舶の航路上となり航路高さの確保が出来ないため、主桁フランジ上に足場パイプを乗せクランプで固定する構造の足場とした。 ・足場上の作業が完了したため足場の解体に着手し、中央径間部より橋台に向けて作業を開始した。前日から解体作業に入り、防護用のシート・足場板・安全ネットの順で解体を行い、当日の午前中も作業員4人で引き続き残り作業を継続し、中央径間全面が骨組である足場パイプと通路用に残した足場板一枚敷きの通路のみとなっていた。 ・朝のKY時に親綱の展張を指示していたが午前中は展張されていなかった。 ・再度指示が出され昼の休憩後親綱を設置するために通路(一枚敷き)を中央径間の中央付近まで親綱を引きながら進んだところ親綱が何かに引っかかり、反動で体勢を崩して運河に墜落した。 |
原因 |
・ライフジャケットの着装が義務付けられていたが、使用を怠った。 ・親綱の展張の指示があったにも拘わらず設置していなかった。 ・前日の作業においても親綱の展張をしないで足場板を撤去した。 ・足場板解体の作業手順が間違っており、シートだけ・足場板だけ・ネットだけとそれぞれ解体した。 ・足場の作業主任者の職務が行なわれていなかった。 |
対策 |
・一枚敷きの通路を二枚敷きにする。 ・各桁間全てに親綱2条の展張を行なう。 ・作業員全員にライフジャケットの完全着装を義務つける。 ・ツールボックスミーティング時に作業員の配置の割り振りを義務付ける。 ・解体手順の再確認を行い、全員が周知するための打合せ説明会を実施する。 |
知識化 |
・高所作業では親綱・安全帯の使用を徹底する。 ・水面上の作業では必ずライフジャケットを着装する。 ・管理者は作業指示の実施状況を確認する。 |
背景 |
・水面までの高さが4mと低く、また下が水面であるために油断した。 ・桁下空間が1.2mと狭く中腰での作業となり不安定な姿勢となり、親綱の使い勝手が悪いため親綱を設置していなかった。 ・被災者は熟練者であり、泳げないにも拘わらずライフジャケットを着装しなかったのは本人に堕ちないという過信があった。 |
データベース登録の 動機 |
作業への慣れが如何に危険かを再認識するため |
シナリオ |
主シナリオ
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不注意、注意・用心不足、マンネリ、不注意、注意・用心不足、作業者不注意、調査・検討の不足、事前検討不足、作業・工程検討不足、価値観不良、安全意識不良、安全対策不良、組織運営不良、管理不良、作業管理不良、定常動作、危険動作、危険場所立入り、定常動作、不注意動作、バランスを崩し足場から墜落、身体的被害、人損、落下・転落、身体的被害、死亡、事故死
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死者数 |
1 |
分野 |
建設
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データ作成者 |
北條 哲男 (ものつくり大学)
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