事例名称 |
土砂崩壊による負傷災害 |
代表図 |
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事例発生日付 |
2002年06月27日 |
事例発生地 |
新潟県新潟市松崎374 |
事例発生場所 |
新潟市松崎374地先 |
事例概要 |
深さ約1.9m、幅1.1mの掘削箇所で汚水管VUφ250の布設・設置作業中、突然地山が崩壊し、頭部を負傷した。 |
事象 |
平成14年6月27日、13時頃より掘削を行った。床は作業を完了し、引き続き布設・接続作業を行った。13時50分頃、長さ4m、8kgの汚水管VUφ250を2人で布設・接続作業に取り掛かっていたが、管路を接続しようとしている時、下側の砂層が緩み、上側の路盤材が崩壊し、頭部を負傷した。 |
経過 |
当日8時から朝礼に参加、KY活動後、5人グループで現場に移動し、工具類の準備作業を行い、その後汚水管布設のため掘削の手元を行った。11時頃、土止めなしで幅1,100、深さ1,900、長さ5,000の掘削を完了した。1本目の汚水管布設を行った。 昼食休憩後、13時、2本目を土止めなしで掘削、床付け作業を完了、引き続き布設・接続作業を行った。 地山が堅固であると誤った判断をして、土止めを省略して掘削したため、土砂崩壊が起きた。 |
原因 |
・支店、作業所で実施した施工計画検討会では、地盤の状況に応じ法角(約65度)掘削するか、垂直に掘削するには山止めを行うこととなっていたが、それを守らなかった。 ・当初は計画通り作業を行っていたが、同じ作業を繰り返し実施してゆく内に、安全意識が薄れ、手抜きの作業が繰り返された。 ・元請も当初、危険作業であるとの認識があったが、慣れてくるにしたがい、危険作業を黙認するようになった。 ・掘削角度の判断を下請の職長に任せたため、判断の誤りがあった。 ・作業員に対しても、土砂崩壊災害の危険性についての教育を十分に行っていなかった。 |
対処 |
・土止めを行い工事を実施した。 ・施工作業について、教育を実施した。 ・作業を変更(山止め又は法面掘削)する場合は元請の許可を受けることにした。 |
対策 |
・関係者に再度、安全教育を実施した。 |
知識化 |
・計画通りの作業を実施せよ(勝手に計画を変更するな) |
背景 |
・作業が安易になった原因については、手順の省略→手間の省略→作業の能率化が考えられる。 ・管理者も指示、指導が面倒だという態度が見受けられる。 |
後日談 |
・元請所長及び協力業者の現場責任者を交代 ・全国テレビ再発防止会議を開催 |
当事者ヒアリング |
・まさか土砂崩壊があるとは思わなかった。 ・危険の意識が薄れていた。 |
データベース登録の 動機 |
同じ間違いを繰り返さないため |
シナリオ |
主シナリオ
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手順の不遵守、手順無視、立案手順無視、価値観不良、安全意識不良、危険意識の欠如、まさかと思う気持ち、安全教育不足、組織運営不良、運営の硬直化、指示不足、不注意、注意・用心不足、慣れ、非定常行為、変更、作業内容変更、計画変更、身体的被害、負傷、重傷
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情報源 |
当社災害事例
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死者数 |
0 |
負傷者数 |
1 |
物的被害 |
0 |
被害金額 |
0 |
社会への影響 |
特になし |
分野 |
建設
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データ作成者 |
野中 格 (社団法人 日本土木工業協会)
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