事例名称 |
体育館建設工事におけるコンクリート型枠支保工崩壊事故 |
代表図 |
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事例発生日付 |
1992年02月14日 |
事例発生地 |
神奈川県綾瀬市 |
事例発生場所 |
海上自衛隊厚木航空基地内体育館建設工事現場 |
事例概要 |
体育館の2階床の大梁とスラブのコンクリート打設作業中、スラブ用の型枠を支えていたビルトトラス等が落下した。約25分後、この落下点を中心に型枠及び型枠支保工の倒壊が連鎖的に拡大し、2階の3分の2ほどの打設済みコンクリート及びスラブ鉄筋等が落下した。 |
事象 |
2階床のコンクリート打設中に型枠の支保工が連鎖的に倒壊、落下し、2階及び1階で点検作業等をしていた作業員は落下したこれらの資材の下敷きになり、7名が死亡し14名が負傷した。 |
経過 |
事故前日までに1階柱、外壁の部分等のコンクリートを大梁型枠下まで打設し、当日、スラブのコンクリート打設を行っていたところ、ビルトトラスという梁状の部材が1本、両側のコファーフォーム(型枠板)及び打設したコンクリートとともに、直下の棚足場の上に落下した。すぐに打設作業が中断され、状況把握などのために数名が1階に下りた。約25分後、このビルトトラスがあった部分を中心として型枠支保工の倒壊が始まり、これが順次拡大し、全体の崩壊に至った。 |
原因 |
十分な労働力を確保できないまま着工し、施工を簡略化するために慣れない工法を採用したこと。その結果、部材の固定や足場の取り付け方などに不備が生じ、一部の部材の落下が型枠支保工支柱の座屈を招いたこと。 |
対処 |
2ヵ月後、復旧工事に着手した。 |
対策 |
新しい工法や経験の乏しい工法を導入する際には、他の工事での導入実績や作業員の経験などの資料の収集を行い、安全性について十分検討する。 |
知識化 |
足場の取り付け方など、当たり前のことをきちんとやる。 |
背景 |
・バブル期から続く建設業界の労働力不足。 ・随意契約による安い金額での無理矢理な受注。 ・経験者がほとんどいない新工法。 |
データベース登録の 動機 |
21名もの死傷者を出し、社会的にも注目された大事故であるため。 |
シナリオ |
主シナリオ
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調査・検討の不足、事前検討不足、慣れない工法の採用、調査・検討の不足、事前検討不足、労働力確保できず、企画不良、戦略・企画不良、製作、ハード製作、型枠支保工組み立て、非定常行為、無為、足場取り付け不備、破損、大規模破損、支保工連鎖倒壊、身体的被害、負傷、14名負傷、身体的被害、死亡、7名死亡、社会の被害、社会機能不全
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情報源 |
海上自衛隊厚木航空基地内体育館建設工事におけるコンクリート型枠支保工崩壊災害調査結果報告書(労働省1993)
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死者数 |
7 |
負傷者数 |
14 |
物的被害 |
型枠支保工、コンクリート等 |
分野 |
建設
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データ作成者 |
佐藤 岳文 (東京大学)
國島 正彦 (東京大学)
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