事例名称 |
保全工事後の運転再開時、軟質ウレタンフォームの集積場での自然発火 |
代表図 |
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事例発生日付 |
1966年03月24日 |
事例発生地 |
神奈川県 厚木市 |
事例発生場所 |
化学工場 |
事例概要 |
発泡間もない軟質ポリウレタンフォームが集積所で発火した。原料供給ノズルが詰まり、その清掃後の運転で材料の混合比が通常とは異なるものがあり、集積中に発熱した。なお、集積場にスプリンクラーがなく、被害が拡大した。 |
事象 |
発泡成形後間もない軟質ポリウレタンフォームのブロック集積所で発火、火災となった |
プロセス |
製造 |
単位工程 |
設備保全 |
化学反応式 |
図2.化学反応式
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物質 |
ポリウレタン(polyurethane)、図3 |
事故の種類 |
火災 |
経過 |
1. 原料をミキシングヘッドに送るスプレイノズルのうち、イソシアネートを送るノズルが詰まった。 2. 反応を停止して、ノズル清掃後、再度生産を開始した。 3. 発泡成形後間もない軟質ポリウレタンフォームのブロック集積所で発火、火災となった |
原因 |
再開後の運転でイソシアネートが大量に流入した部分があり、この異常配合部分を用いて成型された製品が、大きな発熱反応を起こし蓄熱、自然発火した。工場にスプリンクラーが設置されていなかったため、被害が拡大した。 |
対策 |
作業手順の標準化 |
知識化 |
保全工事後の装置の状況は、保全工事前と同じとは限らない。必ず状況の確認が必要である。 |
背景 |
作業手順を守らなかった |
よもやま話 |
☆ プラスチックは酸化されやすい分子構造を持たなくても、発泡されるなど表面積が増大すると蓄熱されやすい。予熱された場合その危険は増大する。(物質の危険性) |
データベース登録の 動機 |
保全作業の不十分さで組成が変わった例 |
シナリオ |
主シナリオ
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組織運営不良、管理不良、管理の緩み、不注意、理解不足、リスク認識不足、無知、知識不足、思い込み、使用、保守・修理、点検清掃、定常操作、手順不遵守、保守作業後に点検なし、不良現象、化学現象、発熱・発火、二次災害、損壊、火災、組織の損失、経済的損失、直接損害額6000万円
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情報源 |
日本火災学会化学火災委員会、化学火災事例集(1)(1971)、p.100-101
田村昌三,若倉正英監修、反応危険 -事故事例と解析-、施策研究センター(1995)、p.115
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物的被害 |
鉄骨平屋建工場建屋の約8割焼失。 |
被害金額 |
6000万円(化学火災委員会) |
マルチメディアファイル |
図3.化学式
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備考 |
定常作業 |
分野 |
化学物質・プラント
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データ作成者 |
若倉 正英 (神奈川県 産業技術総合研究所)
田村 昌三 (東京大学大学院 新領域創成科学研究科 環境学専攻)
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